徒然なるままに〜日常日記〜

日々、感動したこと、楽しかったこと、頑張ったこと等を脈絡なくあげます^_^

【感想】「女であるだけで」を読んで

以前、日経新聞の書評頁で紹介があり、気になっていた「女であるだけで」という本を読んだ。

 

ジャンルとしては「先住民文学」というものになる。
なるほど、作者は史上初のマヤ語先住民女性作家なのか!

先住民文学というものは初めて読んだ。
やはり、今までの経歴や環境が全く異なる人の作品は目新しくて面白い!!

 

そして、一番心に残ったのは冒頭ではあるが、次の部分だ。(ネタバレ)
記者からの「あなたが犯したのと同じ罪で服役している人たちがいます。(中略)先住民ではないというだけで、刑を全うしなければなりません。あなたは先住民であるがゆえに自由の身となったわけですが、あなた自身はこれを正当な恩赦だとお思いですか」という質問に対しての回答。
「あたしが事故で死なせた男はあたしの体と心を痛めつけていたのに、あんたの言う法は何もしてくれなかったんだ」(中略)「あんたの言う法とやらをきちんと機能させるにはどうすればいいのか教えてもらいたいものだね。」
という部分。

 

いくら形が整っていても、周囲の価値観や雰囲気で助けてもらえないことなんて多々ある。
きっとこの本と似た内容のことは、向こうではそこまで珍しくもないことなのだろう…
生まれがマイノリティであるというだけで生きていくのがいかに大変か、そしてそれが直視されにくい世界となっていると考えさせられる本であった。